竹 駒たけこま 神 社 

竹駒神社 鳥居

 宮城県岩沼市稲荷町1-1 鎮 座 地図



竹駒神社 参道



随身門


・随身門・・・文化9年(1812年)の建築。神号額は仙台藩7代伊達重村の筆による。神号額の 
  (楼門)                                      
      下に掲げられた「丹心報国」の大額は、明治の書家中林梧竹の筆による。   

    ・・・随身の白狐。左側は金色の宝珠を、右は神徳が書かれた巻物を咥えている。  
随身門



向唐門


・向唐門・・・天保13年(1842年)の建築。曲線状の破風を取り入れた唐破風造りで、前後に  

      唐破風がある唐門を向唐門(ムカイカラモン)という。                

向唐門 提灯



● 社 殿 ●
竹駒神社 拝殿

 御 由 緒 


・第54代仁明天皇の承和9年(842年)、小倉百人一首にも名を連ねる小野篁(オノノタカムラ)が陸奥

 国司(※1)として赴任し、伏見稲荷(※2)を勧請したのが創建とされ、武隈明神と称した。

 第70代後冷泉天皇の時代になると、陸奥国を歴遊中の能因(ノウイン)法師が、竹駒神社の神が

 竹馬に乗った童の姿で示現したとして、竹駒神社の傍らに庵(別当寺の竹駒寺※3)を結び 

 神に仕えた。                                  

 ・・・承和9年、参議・小野篁が陸奥国司として多賀国府に赴く際、山城国紀伊郡伊奈利山 

   に詣でて、稲荷明神を国府鎮守神になさんことを懇請した。明神は篁の至情に深く感 

   じ白狐の姿をかりて現れた。篁はこれを神示として畏み、御分霊を小箱に納め、とも 

   に鎮守府に向かった。やがて奥州名取に入り、南長谷村の橋にさしかかった時、狐が 

   啼くこと八声に及んだので、これを怪しんで箱を開けてみると神霊が白狐の姿となり 

   たちまち走り出て、武隈の茂林の中に駆け入り姿を見失ってしまう。そこで篁は白狐 

   の姿が消えた辺り一画に縄張りして神社を創建した。         ・・・    

 ・・・永承年間(1046〜1051年)、能因法師が東国に遊歴してこの土地に達し、初めて神社に 

   参詣した日に、神が姿を変えて童子となって戯れ遊び、竹馬にまたがって能因法師に 

   会い、数刻ほど話をしたがやがて姿を消してしまった。法師は童子を神の分身である 

   ことをさとり、神を崇め尊んで神社を竹駒神社とお呼びすることになり。さらに神徳 

   を慕って、神社の傍らに草庵を構えて竹駒寺と名付けた。       ・・・     

・竹駒神社は歴代領主からも篤く庇護され、奥州藤原氏や伊達氏より、社領の安堵や社殿の

 造営などが行われ、文化4年(1807年)には正一位の神階を受けた。          

・明治2年(1869年)、神仏分離政策により竹駒寺は現在地に移転。また、明神思想に基づく

 武隈明神が否定され、稲荷神が主祭神とされた。明治7年(1874年)県社に列格。日本三大

 稲荷(※3)の一つとされ、その分霊は400余を数える。               

・平成2年(1990年)11月21日未明、仙台藩の5代藩主伊達吉村によって造営された歴史ある

 社殿が、過激派の放火により焼失、平成6年(1994年)に再建された。         

・竹駒という社名は、鎮座地の岩沼市域の旧称「武隈」の転訛であり、市内を流れる阿武隈

 川(アブクマガワ)に由来する。                            

 (※1) 陸奥国府はある時期に武隈に所在し、その後に多賀に移ったという説や、国府所在

    地ではなく国司館があったという説など、いづれも不明であるが、武隈の地は陸奥

    国政の上で重要な位置を占めていたと思われる。               

 (※2) 伏見稲荷大社は、京都市伏見区にある神社。旧称は稲荷神社。式内社(名神大社) 

    二十二社(上七社)の一社。旧社格は官幣大社。神社本庁に属さない単立神社。  

    稲荷山の麓に本殿があり、稲荷山全体を神域とする。全国に約4万社ある稲荷神社 

    の総本社。[主祭神] 宇迦之御魂大神(ウカノミタマノオオカミ) [配神] 佐田彦大神、大宮能売

    大神、田中大神、四大神(シノオオカミ)。これらの5柱の祭神は稲荷大神の広大な神徳の

    神名化としている。                            

 (※3) 竹駒寺:真言宗智山派、御本尊:不動明王、薬師如来、日月天。        

 (※4) 日本三大稲荷といわれている寺社が、他をどの社寺と挙げているのか・・・     

      ・豊川稲荷妙厳寺(愛知県豊川市) = 伏見稲荷大社、祐徳稲荷神社      

     ・祐徳稲荷神社(佐賀県鹿島市)  = 伏見稲荷大社、最上稲荷妙教寺     

     ・笠間稲荷神社(茨城県笠間市)  = 伏見稲荷大社、祐徳稲荷神社      

     ・最上稲荷妙教寺(岡山県岡山市) = 伏見稲荷大社、豊川稲荷妙厳寺     

     ☆竹駒神社(宮城県岩沼市)    = 伏見稲荷大社、笠間稲荷神社      

    現在別表神社として社格が認められているのは・・・               

     ・竹駒神社 ・笠間稲荷神社 ・祐徳稲荷神社 ・志和稲荷神社(岩手県紫波町)

     ・箭弓稲荷神社(埼玉県東松山市) ・太鼓谷稲成神社(島根県津和野町)    

     ・高橋稲荷神社(熊本県熊本市)                      


竹駒神社 社号額

 御 祭 神 


「 御祭神は稲荷大神さまで、倉稲魂神、保食神、稚産霊神が祭られている。       

  稲荷大神とは三神の祭神を奉斎する神号であり五穀豊穣の大神を意味する。     」


 ○倉稲魂神(ウカノミタマノカミ/日本書紀、=宇迦之御魂神/古事記)              

  ・・・伊弉諾尊、伊弉冉尊の神生みの段の一書(アルフミ)の第六に「飢ゑませえる時に生み   

    ませる兒(ミコ)を倉稲魂命と号す」とある。                   

 ○保食神(ウケモチノカミ)・・・五穀の起源。月夜見尊に殺された体は「稲、麦、粟、稗、大豆   

           小豆、牛馬などに化成していた」とある。古事記では素佐之男命  

           に殺された大宜津比売神(オオゲツヒメノカミ)の体から「蚕、稲、粟    

           大豆、小豆、麦ができる。                   

 ○稚産霊神(ワクムスビノカミ、=和久産巣日神/古事記)                   

  ・・・五穀豊穣、若々しい生育の力、穀物の生育。稚産霊神の御子神が豊受大神。    


 <配祀神>市杵島比売神(イチキシマヒメノカミ)・・・宗像三女神(多紀理毘売神、多岐都比売神)。  

竹駒神社 本殿



竹駒神社 神木



竹駒神社 社殿



元宮跡

「 平成3年の御鎮座千百五十年の式年大祭記念行事を進めていた・・・平成2年11月21日の 

  早朝、皇室行事に反対する過激派の暴挙により、二百八十年の歴史を有し、市文化財 

  に指定された御社殿が炎上焼失する。・・・御社殿復興の造営工事を興し、御神徳のもと 

  数多くの氏子崇敬者の赤誠を結集。平成9年9月26日、木の香も高い御本殿に遷座祭 

  が斎行された。・・・この地が元宮跡(焼失前の社殿地)として永く後世に伝えんとする  

  ものであります。                              」



命婦社

・命婦社(ミョウブシャ)・・・稲荷大神の神令使である神狐をお祭りしたお社。命婦とは昔、従五位

           以上の婦人に対する敬称で、自分自身が賜ったのを内命婦、夫が従五

          位以上の時は外命婦と呼ぶ。また、稲荷神の使いの狐の称。宮中に仕

          える女官などの意味がある。                  


●● 奥 宮 ●●
竹駒神社 奥宮
「 平安の昔、承和9年(842年)、京都伏見の霊峰稲荷山三ヶ峰より御祭神を勧請され  

  この地を賽窟山と称した。                          」
奥宮 御社



○○○ 境 内 社 ○○○
境内社
・右から・・・八幡神社、総社宮、出雲神社、秋葉神社、北野神社。



北野神社
・北野神社:[御祭神] 菅原道真。



秋葉神社
・秋葉神社:[御祭神] 火産霊神(ホムスビノカミ)。



出雲神社
・出雲神社・・・現在の社は、出雲大社の八分の一の規模で昭和31年に竣工、創建された。  

      [御祭神] 大国主神、蛭子神。                      


総社宮
< 総社宮 >

・現在のお社は天保14年(1843年)の建造。以前は二の鳥居の近く  

 (二木塚の西)に北に面して祭られていたものを大正13年(1924年)

 に移転。管内神社の全祭神を 祭る。国府に近接するこの社にて 

 国司が館内諸社に奉幣参拝したと伝える。国司の祭儀を伝承する

 社として奏社宮とも称されていた。              



八幡神社
< 八幡神社 >

・享保12年に建立。大正13年の大営繕事業で大修繕を行う。

 [御祭神] 応神天皇。                 


愛宕神社
・愛宕神社・・・八幡神社と供に享保12年建立と伝わる。[御祭神]迦具土神(カグツチノカミ)。








神社参拝の記録





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